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手とヘラだけで鬼瓦を作り上げる鬼師の手仕事ってスゴイ!【愛知三河の窯業展より】

公開日: : 最終更新日:2017/03/30 瓦がいい理由 , , , ,

こんにちはー。
屋根セイバーズの神谷英嗣です。

今日は、建築建材で人気だった鬼師さんの製作実演の様子を書いてみます。
僕が担当で行った後半の2日間は僕の仲良しな鬼英の春日さんがいらっしゃってました。素晴らしい技術とスピード技をもったスゴイ方なんですが、とっても仲良くさせてもらってます。
職人さんって、寡黙で怖そうなイメージがあるかも知れませんが、とっても気さくな方っす。

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鬼師とは

人々と建物を災厄から守るために、寺社などの和風建築の屋根でにらみをきかす鬼瓦。千年以上も前に大陸から伝わったものづくりの技をいまに伝え、未来へ引き継ぐのが「鬼師」と呼ばれる鬼瓦づくり専門の職人である。手作業だけで土から巧みに鬼の姿形をかたどる仕事は、いにしえの職人たちと何一つ変わらない。修業の道は長く険しく、活躍する鬼師は日本でわずか150人ほどといわれる。鬼師とは、理想の鬼をつくるために自ら鬼になれる職人である。
引用元 【鬼師】日本人の人事部

鬼瓦を手作りで作り上げる職人のことを鬼師と言います。
無から有を作り出す素晴らしい技術を持った方々です。何の変哲もない土の塊から、手とヘラを使って鬼瓦を製作していくクリエイターでありアーティストでもあります。

鬼瓦製作風景

今回はそんな鬼師の手仕事を紹介していきます。鬼師の春日さんの仕事ぶりが速すぎて1日でほぼ完成しちゃったのにはビックリしました。それでは、スタートです!

型紙から粘土に書き写し

まずは板状の粘土に鬼瓦の型紙から書き写していきます。
作る鬼瓦が毎回違うために、紙に鬼の絵を書いて図面かしていくそうです。鬼瓦として焼き上げられるまでに約10%ほど縮まることを計算したサイズで書いてあります。

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顔と台部分を丁寧に土で接着

線で表現した鬼瓦の顔部分を土台となる鬼板に接着していきます。
丁寧に接着しておかないと乾燥時にキレてしまう原因になったり、剥がれてしまう可能性があるので大切な作業です。粘土同士の接着面にワザと傷をつける「かきやぶり」と呼ばれる作業をしてから接着して土と一体化させていきます。「つけ土」と呼ばれる作業です。

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粘土を盛って顔の凹凸を作っていく

ノッペラボウだった顔面に土を盛って顔の凹凸を作っていきます。
簡単そうにポンポンとつなげていくのですが、これがなかなか難しい。以前、やらせてもらったことがあるりますが、立体的にしていくのがとにかく難しかったです。絵に描くのではなく適量を盛っていくなんて3Dっす。

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各部の形を整えて表面をキレイに磨く

各部への粘土の盛り付けが終わると形を整える作業です。
手やヘラを使って表面を撫でる作業(磨き)を行うことで表面がツルツルにキレイになっていきます。細かい装飾もヘラを使って掘り込んだり線で髪の毛などを表現して仕上げていきます。磨きを丁寧に行ってキレイな表面にするだけでなく、モノによっては磨きを少なくしてゴツゴツした仕上げで鬼瓦の荒々しさを表現することもあるそうです。奥が深い世界ですねぇー。

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不動明王鬼瓦の完成

鬼師さんによる作業が完了して仕上がったのは不動明王の顔をした鬼瓦の完成です。
大迫力で怖そうな顔をしてますねぇー。睨みを効かせて魔除けの役割をしっかり果たしてくれそうですね!

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展示会終了後に鬼瓦は廃棄です

来場者の方からこんな質問もいただきました。

作った鬼瓦はどうするんですか?どこかのお寺に使うんですか?

もったいないのですが・・・・廃棄します!!!
えぇぇぇ?マジかよ?って思うかも知れませんが、とても売り物にはならないんです。ホールがとっても乾燥しているために、段々とキレが出てしまうんです。急激に乾燥することによってヒビが入ってしまうんです。もったいないし残念だけど、廃棄するしかないんですよね。

じゃあ、普段はどうしてるんですか?

湿気をコントロールしながら作業をして急激に乾燥しないようにしているんです。
出来上がったら毛布をかけたりビニールで覆って徐々にゆっくりと乾燥させていくんです。約一ヶ月ほどかけて乾燥させるんだそうです。しかもそのまま置いておけば上手に乾燥すると思ったらそうじゃないんです。乾燥のペースを確認しながら横にしたり、立ててみたり、時にはひっくり返したりして乾燥具合を調整していくとってもデリケートな作業で、製作している時よりも繊細に管理をしていく必要があります。けっこう大変なんですよぉ。

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鬼師の作業を動画でご紹介

今回の建築建材展の鬼師さんの作業風景の画像を動画にしてまとめました。

2年前の展示会での作業風景動画も見つけました。竹ヘラを使って顎髭と歯を形作る作業風景です。簡単そうにやってるけど、スゴイわぁ。

鬼瓦製作ワークショップの作業実演風景を6倍速で撮影した動画も一緒にご覧ください。小型の鬼瓦だけど作業の手順は同じです。磨き作業をしないで形を作るだけの動画ですが、よく見るとお客さんの方に向けて反対向きに作業をしていることに気づきました。ハンパない!

あとがき

鬼師さんによる製作実演は大盛況でたくさんのお客さんたちに囲まれていました。
普段は1人で工房内で作業をしているのですが、こんなにも人に興味を持ってもらえる、人の足を止めるような素晴らしい技術を持っているんですね。鬼師さんたちにとってもたくさんの刺激があったようです。
鬼師さんの職人技で瓦に興味を持つきっかけになってくれたら嬉しいなぁー。

それでは、またっ!

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神谷 英嗣

神谷 英嗣

代表取締役社長株式会社 山平
㈱山平の神谷英嗣です。瓦屋に生まれ、瓦に囲まれて成長し、住宅営業マンを経験してから、瓦業界に戻って早10年が経過しました。小学一年生からやっている野球をはじめとして、フットサル・スノーボードなどなどスポーツで身体を動かすのが趣味です。チームスポーツが大好きで、仲間と一緒に目標に向かって進んでいくのが大好きです。地震が来るたびに瓦屋根が悪者にされがちですが、本当はそんなことないんですよ。皆様の守る大切な瓦屋根のことを正しくお伝えし、家族の幸せな住まいを守っていきたいと思います。屋根に関する悩みはお気軽にご相談下さい。

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